林田学「PL法新時代」を読みました。
林田学著「PL法新時代」(中公新書)を読みました。 PL法に関して色々な本が出ていますが、林田学さんのこの本はその中で1番売れた本だそうです。 林田学さんはこう述べています。 『1995年7月1日よりわが国でPL(Product Liability 製造物責任)法が施行される。この日を 目指してこれまで数多くのPL法の解説書や実務書が出版されてきた。私自身もこれまでに7冊の 実務書を書いた。 しかし、本書の切り口はそうした本とは大きく異なる。私が本書において描こうとしたのは、 PL問題の実態、その実態を規定する社会的構造、そして社会の将来像である。 一言で言うと、PL問題の社会的コンテクストとでもいうことになろうか。 わが国のPL問題の社会的コンテクストを眺めるには、アメリカとの比較が有益である。 そもそもPL法の発生地はアメリカであるが、わが国でPL法がスタートするこの95年にアメリカでは PL訴訟を抑制しようとする法案が下院を通過し、成立に至らんとしている。 大づかみに言うと、わが国がアメリカにならってPL法を始めようという気になったのに、アメリカでは 修正の声が高まっているわけである。そうすると、どうしてアメリカはそうなったのか、日本はこのまま PL法をスタートさせてしまってよいのか、とうい疑問が生じる。 前者の疑問を追っていくと、アメリカにおける司法の担い手たちのたくましい(ある意味ではたくましすぎる) パワーにぶちあたる。後者の疑問を追っていくと、実は、わが国のPL法ないしPL制度は、修正を求められている アメリカの制度とは異なること、むしろ、アメリカでの修正の方向性と少なからぬ共通点を有することが分かる。 そして、それぞれの背景を探求すると、アメリカにおける司法の力の大きさ、民間活力の力の大きさと、 わが国における行政の力の大きさを垣間見ることができるように思う。』 PL法が施行されて15年以上が過ぎました。林田学さんがこの本で予想した通り、 日本でPL訴訟が爆発的に増えるということはありませでした。 そして、林田学さんが述べているとおり、PL問題のイニシアチブを握っているのは行政、 とりわけ消費者庁です。林田学さんが15年以上前に予想したとおりに世の中は動いているようです。
